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検討課題(4-1)可分債権の遺産分割における取扱い

検討課題(4-1)可分債権の遺産分割における取扱い

※平成30年7月6日、相続法の改正案が国会にて可決・成立しました。以下の記載は、改正の経緯を記載したものとしてそのまま残しておりますが、最新の法律の内容ではないので、その点ご留意ください。

<改正が議論されている背景>

金銭債権などの可分債権(分割することが可能なもの)は、判例上、相続の開始により法律上当然に分割され、各相続人が相続分に応じて権利を承継するとされています。そのため、実務上は、可分債権は原則として遺産分割の対象外とされており(遺産分割とは、遺産の分け方を決めるものであるところ、可分債権は上記のとおり当然に分け方が決まるため)、例外的に、相続人全員の合意がある場合に限って遺産分割の対象となるという取扱いがされています。

しかし、こうした考え方によると、遺産の大部分が可分債権である場合など、可分債権については特別受益や寄与分を考慮せずに法定相続分に従った分割がなされる結果、相続人間の実質的公平が損なわれるという指摘がされています。また、別の視点として、可分債権は遺産分割を行う際の調整手段として有用である(遺産のうち高額の不動産を取得した者がいる場合に、その他の者が可分債権である預金を取得するなど)ため、正面から可分債権を遺産分割の対象に含めるべきとされています。

また、上記判例の考え方では、各相続人は、相続開始と同時に、法定相続分に従って分割承継された可分債権を行使氏、債務者に支払等を請求することができます。しかし、可分債権でも、遺言でその帰属が指定されていれば原則としてこれに従いますし、また、相続人全員で合意すれば法定相続分に基づかない分割も可能であることからすると、債務者からすれば、相続人の一部から遺産たる可分債権の一部(または全部)の支払いを求められた場合、その請求が法的に正当なものかを判断するのは難しく、誤って支払ってしまう可能性もあります。こうした場合、債務者の保護は民法478条(債権の準占有者に対する弁済。要するに、正当な債権者のような外観を信じて支払をした人は、その支払を真の債権者との関係でも有効と主張できる、という意味です。)で図られることになりますが、債務者が保護されるには、善意無過失(正当な債権者だと信じており、かつ信じたことに過失がないこと)が要件とされているため、保護が充分でない場合も有り得ます。

<考えられている方策>

第1案

①可分債権は法定相続分に応じて分割承継され、各相続人は、原則として、遺産分割前でも、分割された債権を行使することができる。

②遺産分割において各相続人の具体的相続分を算定する際には、可分債権の相続開始時の金額を相続財産の額に含めることとする。

③相続開始後遺産分割終了時までの間に、可分債権の弁済を受けた相続人については、その取得した金額を具体的相続分から控除することとする(注)。

(注)相続人が遺産分割前に弁済を受けた額がその具体的相続分を超過する場合には、遺産分割において、その超過額につきその相続人に金銭支払債務を負担させるものとすることが考えられる。また、可分債権は、不動産の共有持分の処分等とは異なり、その換価が容易であり、無制限に権利行使を認めると、特定の相続人がその具体的相続分を超えて権利行使をするおそれがあることから、①の権利行使により他の相続人の利益を害するおそれがある場合には、特定の相続人の権利行使を禁止することができるものとすること等ができる。

第2案

相続人は、遺産分割が終了するまでの間は、相続人全員の同意がある場合を除き、可分債権を行使することができない。

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