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⑤-6 調停調書の作成、遺産分割調停の終了

⑤-6 調停調書の作成、遺産分割調停の終了

<調停調書とは?>

相続人間で、具体的な財産の分け方で合意ができたときは、その合意内容を「調停調書」にします。これは、裁判所が作成する書面で、遺産分割協議書と同様の効果を持っています。調停調書があれば、その内容に従って、凍結されていた被相続人の預金の払い戻しなどが可能になります。

<調停調書を作成するのは誰か?>

調停調書の文言は、法律上きちんとした形で定めておかないと、不動産の登記名義変更ができなかったりという不具合が生じるので、文言は慎重に作成する必要があります。

また、相続人間に紛争があったケースなど、お互いもう何らの権利義務も主張しないという条項(精算条項)を入れることが多く、これが入ると、基本的に後日何かを再度持ち出して主張することは出来なくなるので、やはり慎重に作成する必要があります。

この点、調書自体を作るのは裁判所ですが、調停条項の案文は(裁判所が作ってくれる場合もありますが)当事者の方で作成を求められることもしばしばあります。一方の当事者に弁護士がついていれば、その弁護士が案文を作成して、相手方と裁判所がチェックする、という形になることも多いです。

遺産分割調停が成立すると、(条項の定め方にもよりますが)遺産について事後に争うことは出来なくなり、本来請求できたはずの権利が請求できなくなる恐れもあります。遺産分割調停の成立時は、本当に、その調停条項で調停を成立させてよいか(自身に不利な条項は含まれていないか、本来含めておくべき条項が抜けていないか)を慎重に検討すべきです。

<調停での合意内容が履行されない場合は?ー強制執行ー>

調停調書を作成する意味として、仮に合意内容が履行されない場合、強制執行(支払義務者の財産を差し押さえること)が可能になります(※裁判所を介さず、私人間で遺産分割協議書を作成した場合には、原則としてこうした強制執行はできません。)。こうした点は、遺産分割調停のメリットと言えると思います。

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